2012年12月12日水曜日

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q見てきました


さすがにネットの人気コンテンツの一つだけあってtwitter見てても、いつネタバレ食らうかヒヤヒヤしてたので、えいやっと見てきました。

で、見たら見たで色々言いたいんですが、twitterに書くのも無粋なので、以下ネタバレ感想(空白十数行)ってやつのできるブログに何年かぶりにポスト。

しようと思ったら、以前、序と破の感想書いたブログのアカウント忘れたのでこっちにポスト。

この前フリにしたって140字以上は書かないとRSSとかに拾われて「犯人はヤス」とか望まぬネタバレをしてしまう危険性もあるかもしれません。まあこんな過疎ブログのRSSでネタバレ食らうとかあまり想像できませんが。あ、「犯人はヤス」って古いですか。じゃあ「コナン=新一」ですか。まだ古いですか。じゃあ…

ってネタバレ回避用の文章で余計なネタバレしてちゃ世話ないですね。こんだけ書けばいいですかね。では。



以下ネタバレ感想





























冒頭、なんか難しい感じのミッションが進行してる所を、右の方から鼻歌が聞こえてくる。あ、これは、名前忘れたけど破からの新ヒロイン(メガネ)(CV:坂本真綾)の鼻歌ですね。個人的には既に盛り上がって参りました。あ、真綾の3枚目のシングル集「ミツバチ」出てるんですよね。買わないとですね

破は真綾さんの365歩のマーチでスタートでしたが、今回はなんですかね。あ、そろそろサビですね。



♪ひとりじゃないって~にゃにゃにゃにゃにゃっにゃ~



にゃにゃにゃにゃって、あ、そこも一人で歌うんですね。

曲名すぐ出てこなかったんですが、天地真理の「ひとりじゃないの」でした。相変わらずオサレ感がゼロのガチオタ選曲を真綾さんに歌わせるプレイにすでにテンションMAX

ヘルシングOVA4巻で真綾さんがオペラ魔弾の射手を歌うシーンとか、真綾さんの鼻歌まじりの歌はとても良いものです

海外ドラマのGREEのメインヒロインの日本語吹き替えをしてますが、いっそ歌の吹き替えも聞きたいところです

今回あと鼻歌シーンと言えば

♪まとをーねらえば、はぁずさないよぉー

ってシーンもありました。グランプリの鷹OP。そいやエヴァ劇中でアニソン歌うのって意外に珍しいかも



そして今回の最初の見せ場。宇宙戦艦ブンダーの発進

ショートになってより和太鼓の似合いそうになったリツコさんが「ブンダー、まさに奇跡の船ね」と言ってるのでドイツ語のWunder(奇跡)のことでしょうが、ググって最初にでるのはウルトラマンダイナのバロック怪獣ブンダー。しかもこのブンダーの回、監督が実相寺昭雄ですので、ダイナ全然知らないんですが、特撮ファンの庵野監督的には元ネタは多分こっちでしょう

オペレーションの声に混じる大塚明夫の声。あれ、ネモ船長じゃないですか!なにしてるんですか!

ミサトさんが艦長?ネモ船長は「私を艦長と呼ぶな」と言ってましたが、あ、ミサトさんは艦長でいいんですか

と、なんかエヴァを見てるつもりがナディアを見ている気分になり

そうかー、そろそろNHKのナディア再放送もニューノーチラス発進の辺りだから、予習しておくべきだったなあ

とか素でナディアのリメイクを見ている気分で堪能したニューノーチラス発進でした

TVシリーズの頃のミサトさんの三石さんは、まだ若干芝居が拙い感じもありましたが、それがシンジくんの保護者たろうとしたり、ネルフの指揮官たろうとムリしてる感じとハマって、良い感じにエロかったのですが、今や三石さんもベテラン。芝居も艦長の貫禄十分で痺れます



ブンダーのクルーも知らない顔がちらほら。ピンク髪のタラコとかエヴァよりフリクリとかに出てきそうなキャラデザです。声も伊瀬茉莉也かな。今石洋之監督のパンティ&ストッキングwithガーターベルトのストッキングとかやってました。

その辺、フリクリ、トップ2とかの鶴巻氏。グレンラガン、パンストとかの今石氏とガイナックスって庵野以降も後進が育って来ていて頼もしい。ジブリは宮崎監督作品以外はこう、まあ期待のハードルが高いってのはありますが、こうなんだ。後進育てるって難しいんでしょうね。



そんなことを考えながら改めてブンダークルー見ると、昔の仲間が集まって、さらに新しい仲間も加わって再スタート。その辺スタッフの顔ぶれを投影して妄想するとさらに燃えます。盛り上がります。

で、そんな燃える展開の中ひとり取り残されたシンジくん。

ああそうでした。これはエヴァでした。僕らはエヴァを見に来ているんでした。

まあTV版、旧劇、今回の新劇とこれまでシリーズを見続けて来ているってのはあるんですが、それにしたって、シンジくんの物語を他人事として見させない、観客が自己投影して見ざるを得なくさせる引力というのはすごいものだなあと。



で、色々あって今の状況が明らかになるのですが、旧劇は破壊された世界でシンジとアスカの二人きりのアダムとイブになったけど気持ち悪いエンドでしたが、人類補完計画が世界の破壊と再生であるとあっさり解説。シンジのお母さんのユイがエヴァと同化しちゃったり、綾波レイがユイのクローンだったりのくだりもあっさり解説。

この辺TVシリーズをリアルタイムで見てた時は、「えーエヴァも綾波もお母さんなの!」と大層驚いた気がしたんですが、種明かし前のネタは強力な引き演出になりますが、種明かし後のネタは物語の整合性を構築する上でやっかいな足かせになるので大変ですね。



TV版の人類補完計画は「おめでとう、おめでとう」だったので、なんかよくわかんないけどシンジくんがオトナになったのかな、少年少女の成長物語、ジュブナイルはドラマの柱にできるけど、なんかよくわかんない人類補完計画でオトナになりました。おめでとう。ってやっつけすぎだよなあとか、TV版終了後、旧劇公開前のあーだこーだの間は僕はそういう考えをしてました。なので、異論さまざまあれど

人類補完計画=大人への通過儀礼

ってのはTV版終了時ではそう解釈するのが自然だったんじゃないかなと。で旧劇で人類補完計画は世界の破壊と再生であるとなりましたが、ラストの気持ち悪いがシンジくんジュブナイル失敗な印象です。でも「人類補完計画=大人への通過儀礼」という単純な図式ではなくなったにしろ、エヴァの物語の柱の一つに成功にしろ失敗にしろシンジくんの成長の描写はあってしかるべきとみんな思ってたんじゃないかなあ

で、今回のエヴァQ。というか上映前に見せられた、「巨神兵東京に現わる」の方が雄弁ですが。爆発大好きな庵野監督が描きたい究極の爆発って要は世界滅亡だったんだね。理由とか添え物程度でいいから一心不乱の大爆発が描きたいよね。うん僕も見たい。てかイイモノ見せて頂きました。巨神兵良いモノでした。

と、巨神兵とエヴァQ見た後だと「人類補完計画=大人への通過儀礼」なにそれ。

人類補完計画=爆発

だったんだね。というのがシリーズ見続けて来た方としては大変腑に落ちて収穫だった点でした。



次回、完結編。ループ説とかパラレル説とか考察ありますけど、少なくともシンジくんの人間的成長というジュブナイル的な視点では気持ちの良い終わり方にはきっとならないんじゃないかなと。

破でシンジさんと呼ばれるような成長を見せ、おおエヴァが王道ジュブナイルに進むのか!!と言う期待はあったんですが、Qでああやっぱりこれはエヴァだったんだという落胆と戻る所に戻って来たダメな安堵感がありました。

実際シンジくんをオトナにしようとするのってすごい難しいんですよね。

まず乗ってるロボットがお母さんなんだから、どうしたって母胎の中ってイメージになってしまう。シンジくんがオトナになるにはエヴァから降りないといけない。ロボットに乗らないのがオトナになることなんだというのは、それは確かにオトナだけどロボットアニメのエンディングとしてどうなんだろうという気もします。

シンジくんがエヴァから降りずにオトナになるとしたら、エヴァとお母さんを切り離す方向かな。初号機からお母さん要素を取り出し、ユイとシンジと母子の対話と別れのシーンがあればそれなりにキレイなジュブナイルぽいですけど。エヴァってそういうのやる匂いがしません。というかエヴァでそれやっても、あんまり観客納得しないだろうなあと。

エヴァは作中基本、非コミュで駄目なオトナばっかりです。その辺オトナになれずに年だけは取って、未だにオトナって何だろう?と思ってる層にそれなりに共感されてるんじゃないかと。その分、観客も体験としての通過儀礼がないので、シンジくんのような強力な共感性を持っているキャラクターを多くの人が納得する形で成長を描写するのは至難の業だと思います。



最近で大風呂敷広げて上手にまとめたアニメとして魔法少女まどかマギカがありますが、脚本の虚淵氏はエロゲライター出身だけあってエロゲユーザーの自意識を刺激しないように最新の注意を払ってシナリオを書いていると思われます。例えば、作中出てくる男性って、まず、まどかの父親、は主夫で世界との戦いどころか日常生活で社会に揉まれる描写もありません。あと美樹さやかが電車で怒鳴りつけるDQN。世界の醜さを表現するのに、エロゲユーザーと一番遠くて良心の呵責が無さそうな人物像を持ってくるあたりが、虚淵氏のおもてなしの心の行き届いた脚本です。

おかげで物語最後のまどかの決断を、全く関係ない世界の観客として眺めることができます。ほむらちゃんは何巡もしてるけど、あのまどかは初巡でなんてことない普通の少女なのに、あんな世界を救う決断を我々が強いてしまっていいのか?という鋭い指摘を見ましたが、それこそ初巡でその指摘ができる感性は素直にすごいなあと感心しました。



翻ってエヴァ。ああもダメなオトナばっかなのは、逆に庵野監督の人間描写が人として誠実だと言えるかもしれませんが、ジュブナイルとしては都合が悪いです。オトナになるために必要なロールモデルがいません。

ジュブナイルにおいて父親は乗り越えたり、理解したり、和解したりするものなので、もう少し年齢的にも距離的にも近いオトナのロールモデルになるアニキ的な存在がよくいます。ロールモデルではあるのですが、主人公にとって本当に乗り越えるべき父的存在は別にいることが多いので、アニキは道を示したら、途中で主人公の弟分をかばってお星様になったりして退場するケースが多いです。

エヴァQのカヲルくんは至れり尽くせりでピアノ連弾とか手がCGぽくなくきっちり曲とシンクロしてて、あの連弾の曲名はQuatre mainsで4本の腕らしくって、4本腕でヤリ2本引き抜くとこは超かっこよくて、このまま4本腕2本ヤリでエヴァ無双か?と思ったらあっけなく自決して天使になっちゃってぽかーんとしてたら、カヲルくんもビチャってなっちゃった。

カヲルくんって至れり尽くせりなんだけどアニキではないんだよねえ。ロールモデルになり得ないし。ひとときのかりそめの安らぎっていうか、愛人的なラ・マン的な。

そいやエヴァで唯一アニキになれるかもしれないキャラって加持さんなんですが、エヴァQではブンダーで大塚明夫声の操舵長ぽい人の口から名前が出たのみで行方不明です。

このまま何事もなく退場ってのも考えにくいので、完結編にはなにかしらの形で絡んでくるでしょう。

マリも破の365歩のマーチの時点では、何でこの子はそんな古くてダサい選曲なんだろう。庵野監督の趣味なのか。真綾に歌わせるプレイなのかと思ってましたが、あ、「それでも町は廻っている」OPのダウンタウンはよい昭和真綾カバーでした。今回のエヴァの呪縛設定で、どうやらこの選曲はマリがユイ、ゲンドウと同世代らしいということを示唆しているようです。♀♀♂のトリオ。ミサト、リツコ、加持の同世代トリオも同じく♀♀♂。言うまでもなく、メインのレイ、アスカ、シンジも♀♀♂の同世代です。

破の時点でマリのポジションがちょっと不明でしたが、シンジジュブナイルの視点から見ると死んだ母の背中を語ってくれる役はやってくれそうです。

そんなわけで次回完結編。話が畳まれる期待はできませんが、今回のすごいヤマト発進や、すごい爆発や、すごい揺れる下乳以上のアニメが見られるのを楽しみにしてます。

最後に別ブログに書いた序と破の感想のリンクを自分用に

序の感想
http://utaron.seesaa.net/article/54293204.html

破の感想
http://utaron.seesaa.net/article/122778116.html

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